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金谷 義博*; 梶 加名子
繊維学会誌, 45(7), p.318 - 323, 1989/07
表面官能基濃度の高いポリエステル繊維を得る目的でメタクリル酸の薄層グラフト重合を行なった。グラフトメタクリル酸の濃度と繊維のアルカリ加水分解による方法で調べたところ、この濃度は繊維の最表面で比較的低く、表面から1m以内の内部で最大値を示し、更に内部では次第に減少し0に近づくことが明らかになった。この結果から、グラフト後、繊維の表層部分をアルカリ処理により適量削り取り、表面官能基濃度最大の面を露出させることにより、表面官能基濃度の高いグラフト繊維が得られることが期待できる。事実、メタクリル酸のグラフト率が1%以下のポリエステルでも、アルカリ処理により鮮明に染色されるようになった。